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モリの洞窟

モリエールの妄想の洞窟へようこそ

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…終わりませんでした^^;次回こそラストに…w
とりあえず石を投げられるので、ええ、また投げられるんですが、出来たとこまでをUPです。
色々、これでいいのか迷うんですが、UPしちゃえば、つじつまは次の話で合わせようともがけばナントカ(苦笑)
読んでくださってるおやさしい方は、つづきからどうぞ~v

第1話http://morinodoukutu.blog.shinobi.jp/Entry/879/
第2話http://morinodoukutu.blog.shinobi.jp/Entry/881/
第3話http://morinodoukutu.blog.shinobi.jp/Entry/883/


【拍手お返事】
・ぎんの字さんへ
ちょwwそんなんページにどうして行き着いたの(笑)
どこら辺がふんどしなのか、これは白鳥つきの紐パンツではないのか、謎の多い一品ですね(笑)
これズボン履けないよww
トイレ行く度、無駄にこんにちーはしちゃいますよww
あーあ、そんなふんどし巡りなんかしちゃってww
購入の予定だったんですか?笑
ちょっとウドー君に履かせたい衝動に駆られました。
脳内に浮かんだネタが、そのまま漫画に仕上がったらいいのに。
残念スキルで、見せれないのが、ほんとにね(笑)
しかしこれを作った人って…仕上がった時の達成感としてやった感はたまらん高みだったでしょうねw
いや~、ぐちさんなら、黄色だったら喜んで…履く?www
笑ったら暑くなりました(笑)
本州と違って、晴天だけど、窓から入る風が涼しいです。
熱中症気をつけてくださいね~^^b

・拍手ぽちぽちありがとうございますv



ナルシス 邂逅(第4話)


「撃つのか?」

目の前の男から目を逸らさずに告げる。
元々気の短そうな男だ。
どうでるのかわからず、ただ動くことは止めた。
以前、身を守ろうと少しの動きで奴に蹴り上げられたことが、痛い記憶になって警戒させるのだ。
とはいえ、すでに狙い定まっていることに、体は動きを止めても、開き直る気持ちになった。

「お前、さっきリンゴを盗んだろ?だからさ、ここで始末されてもおかしくないわけ。しかも、何でオレらが捨てた女の面倒見てんの?」
「……」

説明するのは難しい問いだ。
自分ひとりが毎日を生きるだけで精一杯の暮らしをしてる身分なのにだ。
しかもたった一度会っただけの女だ。
なぜだろうと思いながら、捨て置くことができなくて今に至っている。
そして、さっそく用心が足りなくて、ここまで後をつけられる失敗を侵している。

「でさ…、その女どうすんの?このまま看たって、今日越せるかわからん状態なんだぜ?」

言われてますます唇を引き結ぶばかりだ。
どうすればいいのか、自分ではわからないのだ。
放っておけば、女は間違いなく死ぬということだけリアルに感じていた。
ただ出来ると思うことをするだけ。
何も持ってない自分が、出きることなんてそうはないけれど。
まだ生きているこの女を、肉を喰らう鳥の餌食にしたくないと思ったから。
靴をもらったから。
あの時、逃がしてくれたから…。
思うことは漠然としていて、答えに詰まる自分を、男は呆れた顔で見下ろしている。

「この女、治すんなら金が要るぜ。オレだって手にできないくらいの大金さ」
「金?」

金など今まで手にしたことなどないのだ。
通りで買い物をしていく人たちが、品物と交換する時に使っているものなど、自分には縁のないものだ。
汚いコソ泥に、大切な金を恵むような人はいない。

「さーて、どうしようか?」

男は苦々しい顔で笑うと、今まで構えていた銃を不意に下ろした。

「どうしようか?」

内心ほっとしながらも、目は相手から逸らさず訊いた。

「お前を売り飛ばせば、女を医者に見せる金が出来るぜ?まあ、前より値段は下がるか上がるか…うーん…」

値踏みするような目で、男は見つめてくる。

「なかなか売れそうな女の子がいるじゃん…ってさ、通りで見てて後つけてみたらさ、お前だもんな~…。今日は意外に小綺麗でビックリしたわ」

苦笑いしながら話す男が、何を言いたいのかさっぱりとわからない。
警備の仕事をしながら、相変わらず人売りもやってるということなのか。
今は自分をすぐに殺す気はないようなため、体の向きを変えて、女の様子を伺った。
先ほどの欠片を、ぎゅうっと指先で絞って与えてみる。

「おいおい、無視かよ」
「…どうせ選択肢なんかないんだろ?」
「そうだなあ…。売られる他の選択肢か…。お前結構足が速いから、当たり屋なんかいけそうだけどな…。つけたら速いのなんのって。あやうくまかれるところさ」」
「当たり屋?」

聞いたことのないことに、男を振り返り仰ぐ。

「そ。オレの相棒が当たり屋を仕切ってる」

鼻の下をこすりあげると、男はクイと指で上を指した。

「上を見てみろよ。この上、車が走ってるだろ?車を持てる層は大概金が余ってる。みんなそこそこ立派な車に轢かれるフリをするんだよ」
「轢かれる…フリ?」
「ああ。まあ、運悪けりゃ死ぬんだけどな。怪我したって病院なんてかかれねえしよ。運良くさ、うまく交渉できれば、金もらってサイナラ~となるわけ」
「……」
「わかってねえな。やっぱ面倒だから、売り飛ばすか。お前は売られて、オレの手元に金が入る。んで、オレの手数料引いた分で、この女を医者に見せてやるからさ」
「…騙すつもりだろ」

話がうますぎる。
売られてしまっては、この女が助かったかすら自分ではわからないのだ。
前は、選択どころか無理やり仲介屋の店に連れて行ったくせに。
金をせしめて、女はこのまま捨て置いて、ドロン。となるかもしれない。
それとも、他に金が生まれるやりとりがあるのだろうか。
どんな裏があるのか、男の顔をじっと睨みつけた。

「さーて…どうだろな。こんな有様でさ、医者かかったって助かるかわからんぜい…。とにかくだ、選べば盗みは見逃してやる。これで二つから選べるぞ、さあ、どっちにする?」

どっちを選んでも、この男に何らかの利はあるようだ。
その利が自分にもある話であればいいのだけれど。
売られたところで、自由などその先にはないだろう。
今の環境が自由なのかわからないが、これ以上に悪くなるのは困るのだ。
まだ自分に運があるのなら…。

「売られる方がいいだろ?」
「…当たり屋にする」
「なにっ!?マジか…そっちにすんのかよ~」

返事にあせっている。
よほど売りの話の方が金が入るらしい。
それもそうだろう。考えればわかることだ。
車に当たったからといって、そう簡単に金が入るとは思えない。
こんな身なりの者がぶつかったからといって、相手が金を払うとは思えないからだ。
乗っている人が銃器を所持していたら、その場で殺されるのがオチだ。
交渉と言っていたけれど、車を止めた後で、話をしてる間に車を盗んだり、無理に金を奪ったりしているのではないだろうか。
それで得た金を等分するのかもしれない。
だとしたら、確かに、自分を人売りに売り渡せば、入る手数料はこの男がまるまる貰うことになる。
等分しないだけ儲けとなるだろう。
自分を売った場合に入る、おおよその金額はもうあの時に知っているだろう。
車を襲う方は、乗っている人の持ち金に左右されるだろうから、ハッキリ言って未知数だ。
少しの金を用意できたなら、それで女を診てもらうことくらいできるだろう。
もし、当たり屋を続けて、定期的に金を手に入れることができるのなら…。

「おい、考え直せ。足が速くても、車にぶつかるタイミングが悪けりゃ死ぬことだってあるんだぜ?」

言われるとますます決心がついた。
売られるくらいなら、自分で可能性を掴むことの方がマシだ。
女の顔を見つめ、ゆっくりと息を吸い込み、しばし目を瞑った。
考えが固まったことに、静かに男を見上げると、決めたことは言わなくても伝わったらしく、男はいらだたしく足元の石を蹴って飛ばした。


「今日はどうだ?」

高い場所にある道路へと上がり、そこに陣取る男の相棒のところへとやってきた。
道路脇の瓦礫の影に、人相の悪い数人とたむろしていた。
声をかけてきた男と一緒にいる自分を、皆が一斉に振り返り、眉間にしわをよせて見つめてくる。

「…なんだ?またコイツを売るつもりか?」
「あ、いや、今日は当たり屋をさせようと思ってな」
「はあ?よしとけ、死ぬぞ。それより売るほうに回せ」

イライラした様子で、前に自分から奪っていった靴を履いた足を揺らした。
ついその足に目線がいく。

「人手は足りないんだろ?」
「まあな…。先陣切るヤツが、昨日失敗して足を折ったからな」
「じゃあ、ちょうどいいわけだ」
「やれんのか?コイツ」
「いっつもまかれてたって話してたろ?今日も危うく見失うとこだった」
「ふーん…。当たり屋より、売っちまった方が金になんのに、アホだよな、お前…。何のために見つけるたびつけてたんだか…」
「うっせ」

この一年、この男の姿を見たことがなかったが、どうやら男の方は違ったらしい。
運がいいのか、用心が功を奏して、知らずまいていたようだ。

「よーし、いいか、お前がする役割を説明するぞ。よく聞けよ」

当たり屋の男の説明はこうだ。
この道路はモネタの中心部に行く幹線道路で、物資運搬の要となっている道路なのだという。
生産地から物を運ぶトラックはもちろん、その途中にある高級住宅地からの往来もあるそうだ。
車はそちらからやってくるのだけを狙うのだという。
トラックは狙わず、かつ用事を終えて戻る車では駄目だという。
なぜなら、仕事の往来であるトラックを狙っても、大した金を持っておらず、積荷を狙うにしても、請け負った会社に損害を報告される恐れがあるからだ。
特にユノー社がらみの場合、身の危険を伴う。
そのため、一人で運転している中型の高級な乗用車を狙う。
車の見た目を前方で待機している人が無線で報告し、仕切り屋が判断し指示を下す。
出された合図に、狙う車を止める役が飛び込む。
車への被害は出さないよう、かつ、怪我をしたようにアピールする。
その間に、集っている強面の面々が車を包囲し、金銭の交渉を図るのだ。

当たり屋は、落ちている小さな瓦礫を一つ拾い、車として見ろと言って目の前に置いた。
向かってやってくる左ハンドルの車に、右から接近する。
ミラーに映らぬ死角に入りながら、ぶつかる間際まで姿を気づかれないようにしなくてはならない。
後は身を守るギリギリで、何としても車を止めさせるのである。
自分の役割はここまでだ。
教えられた車の死角を頭に刻んだ。
こうして話をしている間にも、車が往来していく。
かなりのスピードだ。

「このカーブの先を、もう少し行くと、高架でなくなって、通りの道と交差する場所になるから、ここら辺りで減速になる」
「止まってから襲ったほうが間違いないんじゃないのか?」
「ばーか。人の多いところでやったって駄目だろう?ここより向こうも駄目だ。オレらが隠れる場所もないしな」

男は振り返り、生産地があるという先を示した。
壊れた建物がぐっと少なくなっていて、確かに人が立ってたら目立つ上に隠れる場所もなかった。

「襲われる人がいるのに、何でここを通るの?」
「通行料を払ってでも、ここに用があるヤツもいるからな…」

捨てられたままの街並みを毛嫌いして、一切通らぬ者がこの都市に住む者のほとんどだ。
襲われるのを危惧して、スラムを通るのを避けて、別のルートを行く者が多い中、好んで荒廃した貧しい暮らしを見たがる人もいる。
ユノーの目が届かないところで、利益をだそうと目論む者は、自然とこの街に関わるようになる。
スラムは栄えるモネタにとってはゴミ箱でしかない。
そこで人が死んでいても、誰も気にしない場所だから。
ここを放置しているのは、綺麗な都市建設のひずみを捨て置く場所としているから。
実権を持つユノーが、ここを野放しにしているのは、何かそれなりの理由があるのだろう。
こういう当たり屋が車を襲っても、警備が強化されないのは、いくら特殊な商業都市でもおかしいのだ。
自分ではできない汚い仕事を、喜んで請け負う業者はここスラムにはたんといる。
金さえ受け取れば、今の自分のように命をはってでも行う輩ばかりだからだ。
市民株すら売り払って、もしくは奪われた、末端の生活をかろうじてしている者なのだから。
市場で買い物と称して、闇の仕事を依頼しに来てるような人たちは、たとえ被害にあっても、上に訴えることはない。
後ろ暗い事柄を知られることの方がまずいからだ。
とにかく金を持っていそうな車を止めて、交渉で相手の出具合を見抜いて、ふっかけて金をせしめる。
せこい話であるが、物の生産のない場所で生き抜くために、いつしかはじまったものだという。
この街で、まっとうに生きる人はいない。
皆どこかで罪をおかしている。
自分も、誰かの物を盗んでこれまで生きてきたのだ。
話しに、異を唱えることはなかった。
今まで知らなかったこの街のことを聞き、漠然とそんなものだろうと納得した。
納得するだけで、何かしようとかまったく思わなかった。
ここに来る前にした決心は揺るがない。
ただ、与えられた役割を、聞いた通りに実行するだけ。
今日は、何としても医者を呼ぶだけの金を手に入れる。
それだけのために、命のかかった役割を行うだけなのだ。



「何笑ってんだよ」

所定の位置につき、瓦礫の影に身を屈めていると、すぐ傍についていた髭の男に頭をこづかれた。

「別に…」

今までにない緊張と興奮に、ひどく生を感じてワクワクした。
息を詰めて待つこの刹那。
今まで鬱積した気持ちが晴れるようなそんな心地に知らず口元が弛んだ。


<つづく>

さー、終わらなかったよ。
ヘルメットをかぶって石つぶてを待ってみる(笑)

 

 

 

 

 

 

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