モリの洞窟
モリエールの妄想の洞窟へようこそ
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天使ちゃん小説、更新です。
短いけど、次が長くなりそうなので、キリのいいところということで。
そんなに長くはないですが、たたんでおきますね。
続きからどうぞv
はじめから読みたくなった方、前の話を読んでみたい方は、サイドのリンクにある『小説「天使が生まれる日」』の方が読みやすいです。
にうえるへの更新は、今回の話はまだ短いので、次のと合わせての更新の予定です。
「くくく…。さ~て、どっちからいこうか…」
冷たい鎌の柄を頬に押しつけられて、見習い天使は恐怖とその冷たさにガクガクと体を震わせる。
あえて訊かなくても、死神が言ったことの意味はわかった。
怯え、震えながらも、この窮地を抜ける術を必死に考えていた。
「…おや?まだ逃げる気でいるんだ」
何かタイミングを見計らっているような目つきに、死神は更に鎌の柄を押しつけて言った。
頭上にある大きな鎌から悪魔の血がポタリと滴って、小さな天使の頭の上に落ちた。
「ふ…。ふぇあ、ふぇあ…」
冷たく不快な滴りに、小さな天使がぐずり出す。
「チビちゃん、泣かないで~」
よしよしと体を揺すってみるが、ぐずぐずが納まらない。
「ったく、このべそかきが…!」
赤ん坊の泣き声を、実に不快そうに顔を歪めて見ていた死神はボソっとつぶやいた。
「そんなこと言ったって、チビちゃんが泣いたのはあなたのせいでしょ!これひっこめてよ!」
見習い天使は、頬に押しつけられている鎌の柄を顔でぐいと押した。
「何だ、偉そうに!私に命令するのか!」
「んもう、ポタポタ落ちてくる~!」
疲れとやるせなさに、見習い天使は今いる立場を忘れて、死神に癇癪を起こしかけて声を荒げた。
死神はわなわなと唇を震わし、さらに言いたいことを飲み込むと、しかめっ面で無造作にポケットからハンカチを取り出して、小さな天使の頭に溜まった血を拭きとりはじめた。
意外なことに、フワフワと柔らかな金髪に染みこんだ血液を、丹念に拭っていく。
小さな天使は、頭をグラグラと動かされ、口をへの字に結んで、泣き顔のまま、死神にされるがままになっている。
そしてそれを終えると、鎌を手元に寄せて、付着している血液を拭きはじめた。
(…もしかして、今って逃げるチャンス…?)
見習い天使はそれに気がつくと、入念に鎌の刃を拭取っている死神を見据えたまま、静かに羽を羽ばたかせて後退しはじめた。
大きく羽ばたいて、天使の国の入り口を目指して顔を上げた。
「おっと、そうはさせない」
死神の節ばった手で両方の頬を掴まれて、思わず唇が突き出す。
「ふぁぐ!」
パタパタと羽が激しく動く音だけが辺りに響く。
すごい力で押さえこまれて、体が全然浮いていかない。
「目を離した隙に逃げようだなんて、ずいぶんとセコい手を使うな」
ミシミシと掴んでいる指先が頬に食い込んできて、その痛みに涙が滲んでくる。
「ふー!ふー!」
チクっと痛みが頬に広がって、爪で頬を傷つけたことに気づいた死神は、その手の力を緩めた。
「ふっ、私としたことが…。器は丁重に扱わないとな」
盛り上がりはじめた血の溜まりを、死神は指先で拭うようにすくいとり、じっとその血の雫を見つめた。
「ほぉう。こちらは色が薄い」
見習い天使の目の前で、死神は赤い舌を伸ばして、その指先の血を舐め取った。
「ひ…!」
その不気味さに、見習い天使は思わず身を引いた。
けれどすぐに襟首のファーを掴まれて、もとの位置に戻されてしまった。
「はーなーしーて…!」
空いている片手で、必死に死神の腕を叩き、足は届かないまでも、抵抗すべく必死に動かした。
このままでは、時間切れどころではない。
死人形の器にされてしまう。
あの人たちの悲しい姿が目の前をちらつく。
それは嫌だ。
託されたこの小さな子を、ここまで来て諦められない。
「嫌っ!やだやだ!!」
「黙れ、うるさい」
「黙ってなんかいられないわよ!このまま、あなたの思うようになんかならないんだからっ!」
「ああ、もううるさいな…!」
変に切れはじめた見習い天使とのやりとりに辟易して、苦々しく唇を歪めた。
「あっつ…!」
持てる怒りを手の平に集中して、見習い天使は死神の腕をギュッと掴んだ。
同時に、上着を通して熱が広がり、死神は掴まれた腕をその腕で払い、足で見習い天使の腹を蹴り吹っ飛ばした。
うめき声を漏らして、力なく落ちていく見習い天使をあわてて死神は追う。
「ちぃ…!私としたことが…」
すぐに追いついて、見習い天使の腕を捕まえた。
手の平はまだ熾き火のような光がくすぶっていて、その光は死神にとっては忌まわしく、近づきたくはない光だった。
見習い天使の顔にはダメージがありありと出ているが、その紫色の瞳は、ギラギラとまばたきもせず死神を見据えていた。
隙があれば、まだ逃げようとする者の眼だ。
「もっと弱らせてからにするか…。出でよ…!『魂の記録』…!」
死神の前に、青白い炎に包まれた半透明な本が現れた。
見習い天使が、見覚えのあるそれに気づいて、目を大きくする中、何も触れずに本は開いて、一ページずつゆっくりとめくれていく。
「…それは…、星の子に見せた…」
「そう、同じ本だ。だが、書かれている主人公はお前だ」
「私…?」
その本の表紙には何の名前の記載もなかった。
めくれていく本を、死神はじっと目で読んでいく。
「ほほう…。さすがに人としての名を受ける前に死んだようだな。だが、ずっと呼びかけられていた名が存在している」
「…呼びかけられていた…?」
「これで術が作動する…。皮肉なものだな、お前も、かつては『チビちゃん』と呼ばれていた」
「チビちゃん…?」
半透明な本を包む青白い炎が煌めく。
そして何も書かれていなかった表紙に、金色の文字で『チビちゃん』と書きこまれていった。
「あ…ああああ…!」
『チビちゃん…』
死神の声が、耳の中で反響する。
こだまのように、音を引きながら、小さくなっていく。
ドキンと胸を打った。
そして音がまた戻ってくる。
『チビちゃん…』
『チビちゃん…』
その声はもう、死神の声ではなかった。
聞いたことのない声。
違う、覚えていないだけ。
懐かしいその声の余韻に、胸が震えた。
VSリーダーさんなんですね!
頑張ってくださいv陰ながら応援しておりま~すv
教えてもらったのをやっと半分読んだですが、やばいですアレは(笑)モリちゃんたら~v
残り完読したら天使ちゃん最初から読ませてもらいます!
では♪
わわわ…接続切れ^^;切ない…;;
そうなんです、今のところ隊員二名のチームを率いてますv
何かちゃんとテーマにあってるのか心配になりながら一枚目描いてますよ(苦笑
自分で掲げたお題なはずなのに。
期間終了まで燃え尽きないよう頑張りまする><
ありがとね^^
例の小説ですね^^
あっはっは~…、やっぱやばかったかw
いや~ん、ごめ~んハードすぎたってことですよね^^;
ブログ覗いてきたら、とりあえず楽しんだってことで(ホッ
エロスか~(笑)
鼻血が出そうなくらい興奮させちゃってゴメンw
今度は素敵な王子様の小説をご案内するよ。
それはR12だから、ほのぼの恋愛だよ。
内容はシビアでりさっち好みこのみかな~とか。
興味があったら、言って下さい(笑)
天使ちゃん、なかなか終ってなくってごめんよ。
一晩の話が長いこと、長いこと^^;
はやめに頑張りますv
新作の絵、炎凄い!黄金色だけどギラギラしてない柔らかい表現が上手いなあって。
私もそういう構図っていつか描いてみたいな~って思ってたから、おおおお、と見入りました^^
ご来洞窟ありがとうございましたv