モリの洞窟
モリエールの妄想の洞窟へようこそ
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VSラスト七枚目の絵です。
六枚目、連作のうちの一枚だったので、後で色々許可もらおうかと、記事とばしますねー><
書いてる途中で、ふと思って(遅っ
妄想学園の近くにある、とある商店になります。
妄想学園小説を書いたはじめの頃は、もっと暗くて売れない雰囲気の商店でしたが、この絵として描いてたら実にカラフルになってしまったのでした@@;
ベースのお店の古さを、それなりに見えるように、おばあちゃまの努力が感じられる店内仕様にしてみました。
駄菓子屋さん、くじとかあるお店、子供の頃は通いましたねー。
ガチャガチャやったり(笑)
そんなお世話になった店を思い出しながら、あと古さをかんじるアイテムを画像巡りして、描いていきました。
駄菓子ゾーンが一番難所でした@@
文字描いても潰れるし、何だかわからない感じになったりで。。
パースは微妙に怪しいのですが、最終日に間に合ったので、よかったと^^
キャラをお借りして描けば、苦手アイテムの絵でも絶対仕上がるかも…との目論みで、しゃちほこ堂さんからシャチョーくん、Nyutoさんから新矢くんをお借りしました。
ありがとうございました^^
ちなみに、えいるは、自分ですー。
このキャラたちは、ボーイズバトンという、もろ自分を少年に見立てるバトンから生まれた子たちです。
皆同じ学校に通ってたら面白いのに。
という発想から、妄想学園ができたのですが、たった二話描いて終了しちゃってます@@;
せっかくの機会なので、リハビリがてら、小話を作ってみました。
続きから、この絵の前後になるお話が読めます。
【追記10/4】
にゅとさんから素敵な三人組の絵をいただいたので、小説末尾に、さらなるおまけ小話付きでUPしましたv
『おばあちゃんのお店にて』
子供たちの元気な声が今日も聞こえてくる。
小学校に中学校に高校がまとまってて、そのそばにこの店はあるから、賑やかで騒がしい声はいつもの日常なの。
笑う声に、はしゃぐ声…。
ホホ…、今日も楽しそうねえ…。
「ばあちゃーん。あれぇ?」
「見事に寝てるなあ」
「ばあちゃんって、お前はこの店の孫かよ」
すかさず新矢が突っ込みを入れる。
えいるは思わず頷いたが、当のシャチョーは気にもとめない。
「おいおい、店番が寝ててどうすんのよ。お菓子盗っちゃうよ~」
「シャチョー…」
「何だよ、えいる、そのヤリソウねアンタって目は…!盗みなんかするわけないじゃないか」
「ちょっとしてみたいんだよね?」
「新ちゃん、マジでそんなことないって」
店にやってきた男子高校生の新矢とシャチョー、引きずられて渋々入ってきた中学生であるえいるが話をする中、店番のおばちゃんはちっとも起きない。
もういい年だから、おばあちゃんと呼んでも怒られることはないのだけど。
ここに出入りする子たちは、皆おばちゃんと呼ぶのが決まりみたいになっていた。
シャチョーみたいに、ばあちゃん呼ばわりはあまりない。
「よし…!今から五分の間に、ばあちゃんが起きたら、オレがおごってやる」
本棚から、目的の本を見つけて、パラパラと大人しく見ていたシャチョーが、突然閃いたらしく顔を向けるとにまっと笑った。
「どんなものでも?」
菓子棚を物色していた新矢が、手にした菓子をかざす。
箱菓子である。
「…50円以内な。マンガ買いにきたんだからな。いいか、これから声出し禁止な」
ピタリと話し声は止んだ。
カッチ、カッチ、カッチ。
ゼンマイ巻きの壁かけ時計が時を刻む。
かくして五分、おばちゃんはユラユラと頭を動かしてる割に起きなかった。
勝ち誇った顔で、シャチョーは片手にグーを握ると、その手でえいるを指差した。
「ようし、次はえいるな」
「ひいっ!」
突然のご指名に、えいるはピョンと一歩背後に飛んだ。
「自分、金持ってないよ」
「貧しいなー」
「うるさいよ」
「チロルチョコくらいおごれるよなあ?」
「うぐ…」
新矢にぼそりと言われて、思わずポケットに手を入れるえいるだ。
指先に当たる硬貨は穴のあいたの1個に、一回りは大きい三枚。
ずばり所持金80円。
大丈夫じゃないけど、おごるには充分な資金があった。
見透かされている。
かくしてえいるの賭けが強制的にはじまった。
ちらりとハラハラした顔で、時計を見上げるえいるに、シャチョーはにやっと笑うと、突然本を持つ手をおばちゃんに伸ばした。
「シャッチョー、何すんだよ、起きちゃうって」
慌てて、シャチョーの腕をひきとめに背後からかぶさるえいるだ。
「騒ぐなよ、ほら起きちゃうぞ、ばあちゃんが」
今にもおばちゃんにかすりそうな腕を引こうとするがビクともしない。
テニスをやっているシャチョーは、小柄だけどがっちりしているのだ。
「あと三分あるぞ~」
壁かけ時計を見やって、ニヤニヤと新矢が時間を告げる。
「~~~勘弁してよ~」
だが、えいるは結構ついていた。
おばちゃんは、喉に詰まったようなイビキをかいたものの、シャチョーの攻撃にはビクともしなかったのだ。
「じゃあ、次は新矢くんね」
ケロリとレジの机から身を正すと、やつれてメガネが傾いたえいるに、シャチョーはにんまりと笑い顔を送ってきた。
むかついたー。
年上だけどむかついたー。
思わず、キツネのポーズをとってしまうえいるだった。
片足をあげ、それぞれの手にキツネをかたどる。
「む、やるな、お主…!」
負けじと、シャチョーもポーズを決めた。
高く掲げた片手にはキツネ、もう片方にはマンガが扇上に広がっている。
片膝を高く上げた体はびくともしない。
お互いが変なポーズだというのに、ガンを切っているため雰囲気強そうだ。
「ぶうっ」
それまで壁に寄りかかり、店と同化しかかっていた新矢の噴出す声が店内に響いた。
「お前ら、ばかっ!!」
「あらっ!あら、いつのまにお客さん」
新矢の声に、カクリと顎を揺らして覚醒したおばちゃんが、落ちかけたメガネを低い鼻に据えなおして、いつもの柔和な笑顔を向けてきた。
「あ、これ買いまーす」
シャチョーは動揺の欠片もなく、すかさずポーズを解除するとレジに出しに行った。
時間を見てなかったため、賭けはうやむやになった。
「さってと、そろそろ部活に行ってくるかー。新ちゃんは?」
「ん?オレは帰宅部」
「えいるは?」
「体育館今日は使えないから、もう帰るよ」
「そか。じゃなー!」
マンガを抱えてグランドへと走っていくシャチョーを見送って、振り返るとまだいるはずと思っていた新矢の姿がなかった。
「あ、あれ?」
よく見ると、店の自販機の横に座りこんでいた。
またー!?
「新矢くん、大丈夫?」
「ぬー、暑いの苦手~。チョコが足りねえ…」
「チョコ?あっと、買ってくる?チロルしか買えないけど」
「いや、ここにあるから、お前は座れ」
「は?」
これ以上口をきく雰囲気ではなく、えいるは恐々と隣に座りこんだ。
暑いのに、チョコだし…。
ずい。
チョコの箱が目の前に出てきた。
「半分やる」
「…ど、ども」
グランドからの賑やかな歓声が聞こえる中、二人は体育座りをしたまま、ちょっとぬるいメンズポッキーを食べた。
半分もくれた新矢のゲージが、いい人に傾いたえいるであった。
「今日もあっついわねえ」
凝り固まった腰を伸ばしながら、おばちゃんは店内を歩く。
「品物並べないといけないわねえ…」
入り口に届けられ、しっかりと梱包されているッダンボールの荷物に、更にため息が出てしまう。
ふと目を向けた先に、すっかり古くなって、ところどころ穴があいてしまった店のビニールのひさしの下で涼んでるのか、座る二人の子供の姿があった。
おばちゃんはにっこりと微笑んだ。
「ぼうやたち、こっちに来ててつだって~」
新矢とえいるは、ちょっと並べるのを手伝って、お礼にアイスをごちそうになったのでした。
おしまい
【おまけ】
それから数日経った、夏休み目前のとある日の昼休みのこと。
購買でパンが買えなかったえいるは、そそくさと商店を目指して走っていた。
大したパンはなさそうだけど、所持金を考えると、パン以外には買えないえいるなのだ。
「おい、えいる!」
商店の入り口をくぐろうとしたところ、不意に声がかけられた。
どこかで聞き覚えのある声…。
「オレだ、オレ、オレ」
「オレオレ詐欺?」
「ちっがーう!」
店の端にある自販機の影から人が立ち上がった。
「シャチョー、何してんの?」
「コーン!ほら新ちゃんもやって」
「こ…こーん(なんで俺まで…)」
またやってる…。とえいるは思った。
クールだとばかり思っていた新矢くんまでキツネポーズをする日があるなんて。
しかも、今日も暑いのに、またポッキー食べてるし。
「おう、えいる、オレのおごりで買ったヤツ。残りのポッキーやるわ」
「……」
箱菓子の中に開いた袋を、シャチョーがにこやかな笑顔で勧めてくれた。
そっか、おごりのお菓子食べてるからつきあいいいんだね、新矢くん。
えいるの中で、新矢の人間味がUPした瞬間だった。
そして、袋から出したポッキーは、やっべーくらいに、チョコが溶けてデロデロしていた。
*またしても妄想の餌食になってしまった、しゃちさん、にゅとさん、ごめんなさい~~><
二枚目の絵は、以前にゅとさんが描いてくださったものです^^
三枚目の絵は、さらににゅとさんが描いてくださいました!
はりきっておまけの超小話を追加しておきますv
ありがとうございました!
↓前回の妄想学園小説はこちら
http://morinodoukutu.blog.shinobi.jp/Entry/548/
おかしな仕様なのは相変わらずということで…。。