モリの洞窟
モリエールの妄想の洞窟へようこそ
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
来た時よりもずっと明かりのなくなった家々が広がっていた。
星の子は木の上すれすれを飛んでいく。
「ね、星の子!何でこんなに低く飛ぶの?」
見習い天使は前を行く星の子に批難する声を上げた。
しかも速く飛んでいるため、油断していると飛びでた枝にぶつかりそうで冷や冷やするのだ。
自分だけならともかく、腕の中には小さな天使を抱えている。
先ほどまでもがいて動くものだから抱えているのでさえ大変であった。
今は落ち着いて、静かに指をしゃぶっているみたいで、その様子に見習い天使はホッと安堵の表情となった。
とは言え、気は置けない。
月の光に照らされて、赤い実をたわわに実らせた木が延々と続く。
甘酸っぱい匂いのたちこめる中を、問いかけにも振り返らない星の子の後ろを必死に追っていく。
果樹園の向こうに、ひときわ明るい街明かりが顔をのぞかせはじめた。
来る時に通ったあの大きな街だ。
「あっ!星の子!」
見習い天使の驚いた声に、今度はすぐに星の子は振り返った。
「この子の天使の輪、もとに戻ったよ!」
「あっ、ホントだ!」
「よかった~」
母親から離れたせいなのか、また天使の輪はもとの輝きをとりもどした。
「ね、星の子、少しゆっくり行こうよ」
「駄目」
「えっ!そ、そんなぁ~あ。 私はこの子を抱えてるんだよ。少し多めにみてよ。でなきゃ代わってよ」
「オデコちゃん。その子は君が抱いてなくちゃ駄目なんだ。手を離すとまた魂に戻っちゃう」
「ええっ!?ず、ずっとなの!?」
「魂が、その姿に定着するまで。館に着く頃には離しても大丈夫になってると思うよ」
は~っと見習い天使は気の抜けた声を出した。
とにかく館に着くまで、気の置けない任務のようなのだ。
「それじゃ、行くよ、オデコちゃん」
「待って! せめて後ろから押してよ」
「ええ~っ!?」
今度は星の子が不満そうな声をあげる。
「ん、もう、仕方ないな~…」
渋々見習い天使の方へ行こうとした時、急に辺りの虫の音が静まった。
「え?な、何?」
そして気温が低くなり、見習い天使は寒気を感じた。
バサッ。
突然近くの木の枝が音を立てて落ちた。
赤い実が何個も地面に転がっていく。
ヒュッ。
風を切る音と同時に白い稲光のようなものが長い線をひいて、見習い天使と星の子の間に光った。
「うあっ!!」
見習い天使は強く頭を打たれて、新しい天使を抱えたまま近くの木に吹っ飛んで、葉音を響かせて地面に落ちた。
「オデコちゃん!!」
ヒュン。
またしても鋭い風切り音と、白い閃光が二人を襲った。
見習い天使の背後の木は、音と同時に二つに分かれて地面に倒れていった。
「うあ…!」
恐怖に怯える見習い天使の目の前に、まるでそびえるように不気味な人影が立っていた。
全身を覆うボロボロな服。
フードに覆われてその顔はまったく見えない。
そして両の手に持たれた柄の先には長く鋭い鎌がついていて、頭よりも高いところで月光に冷たく光っていた。
「し、死神…!」
星の子も凍りついたように、その恐ろしい姿に息をのんだ。
小説の怒涛の展開に興奮してコメント失礼します。
ひぃぃ~!オデコちゃん達の前に死神ですかっ!?
ベビー天使ちゃんの運命やいかに?
どきどきしながら拝読してます。
死神の登場シーンカッコイイですよね。
お顔が拝見したいvv
顔色悪い不健康系イケメンだったらどうしようvvなどと悶えてしまいました。
もちろんオデコちゃんを応援してますがひそかに死神さんにも萌えてます。
では、なんだか暴走気味の勢いで失礼しました~。
おおぅ、感想ありがとうございます
そうなんです、映画コンで考えたお話なので、怒涛の展開はつきものなのです!
ドキドキハラハラ楽しんでもらえて、とても嬉しいです~
今回、盛り上げのために短くまとめちゃったのですが、続きはただ今脳内で発酵中であります(笑)
もう、どう考えても無力な一行ですからね、ハラハラしますよね~
死神の登場シーンカッコイイですかv
タルチさん、妄想が素晴らしいです~^^
文章では表現できそうにないのですが、タルチさんの「顔色悪い不健康系イケメン」で月をバックにエラいクールな立ち姿の死神を映像化してしまいました
でも、とても私には描けそうにないです。
耽美系でなくては!
タルチさん、お願いします、妄想絵をプリーズvv
そして次回からの死神との対決で、見方がどうなるのか気になりますね
物語を書く気力を、いつも補充してくださって、ありがとうございます♪
そして、必ずやティッシュが何枚もいるような展開をお送りしたいと思います
頑張るぞォ~
ご来洞窟ありがとうございましたvニヤニヤ